1つのことを極められない。でも一流になりたい。

飽きっぽくて1つのことが続かないわけじゃない。

それなりに頑張ったら継続することもできる。

でも1日中そのことを考えられるほどのめり込めない。

だけど、何かを極めて、その道で一流と呼ばれる人に死ぬほど憧れる。

じゃあどうすればいいのか。

自分が出した暫定的な答えをお伝えします。

目次

筆者について

自分は、19歳の頃にシンガーソングライターとしての夢を掲げ、努力を始めた。

そして現在24歳、鳴かず飛ばずの売れないミュージシャン真っ最中。

大学入学を機に、「大人になる」ために、自分の道を探していた。

勉強はそれなりにできたので、高校ではほぼ全員が大学進学を前提に、有名大学に入る同級生もいるような環境で過ごした自分は、高校生の時までは、音楽のことも特に頭にはなく、ただ良い大学に入ることだけを考えていた。

そして、結果的に良い大学に入った後、じゃあ結局あなたは今後どうやって生きていくんですか?と問われた時(実際は誰も直接的に問いかけてきたわけでもないし、単なる社会の価値観を自分が勝手にそう感じていただけだが)、その問いの結論として、音楽の道を志した。

社会に出て大人になるということは、何かのキャリアを歩むということであり、何かのスペシャリストになるということである、というイメージが漠然とあった。

何かのプロにならなければいけないと。

これは別に、いわゆる専門職や士業のようなものに限らず、その仕事においては、周りよりも詳しく、情熱があり、突き詰めていないといけない、という、明確に言語化されていたわけではないが、無意識にそう感じていた部分があった。

だから自分が一番カッコよく見えた、突き詰めている人の代表例としての、ミュージシャンに、分かりやすく憧れただけなんだと思う。

当時の自分の感覚では、”誰とも被ることのない自分だけの感覚”として、その道を見つけた一世一代のひらめきを、強く認識していた。

でも実際は、よくある、しかも分かりやすすぎる、そして顔を隠したくなるような、浅い認識だった。

一日中できない

自分で意識的に決めた、その極める対象となる道を突き詰めるべく、努力をしようと決意した。

だけど、その時から今に至るまで、一日中そのことだけを考えて過ごしていた日なんてない。

普通に何時間かやったら飽きてくるし、集中力もなくなってくる。

よくやったなと思う日が続くと、すぐ怠ける。他のどうでもいいことに時間を浪費してしまう。

音楽で売れる、という目標を掲げるには、やや遅かった自分にとっては、その遅れを取り戻す方法は、誰よりもそれに時間を費やすことのはずだった。

もちろん、音楽を真剣にやろうと決意し始める前から、ピアノを習っていた時期があったり、多少の音楽の下地はあった。

だけど、本気でミュージシャンを目指すには、ちょっと遅かった。

だから、とにかく時間を作り、その空いた時間は、音楽のことにひたすら費やすと、常に思っていたのに、常に人よりも費やす時間が少なかった。

別に継続力がないわけでも、適当にやっているわけでもない。

なんだかんだ5年くらいは、曲を作り続け、発信を続けている。最近も必ず新曲を月に1回は投稿するようにしている(この辺の月に1回程度という甘さも、自分の情けなさというのは感じている)。

やる時はちゃんと集中してやっているし、着実に上達はしていると、自分では思う。

だけど、そんなにできない。常にはできない。

1つのことを極めていると、胸を張って言えるほどはしていない。

そんな自分に対する、否定の気持ちを、音楽を始めた時から、そして今も感じている。

1日8時間を毎日ってどういうことだよ

そんな自分でも、売れたいという気持ちは常に持っていて、だから色んな人の、音楽や音楽で売れることについての言葉は自然と目がいく。

そしたら、やっぱり本当にすごい人や、プロと呼ばれる人は、平気で1日中音楽のことを考え、音楽の作業をしているらしい、という情報が入ってくる。

意味が分からなかった。そんなの嘘だろと、正直今でも思っている。

どう頑張っても、自分には1日ぶっ通しで音楽のことを考えることも、音楽の作業をすることもできない。

仮に1日ぶっ通しでやったら、次の日は休みたい。

別に音楽を辞めるわけじゃないけど、そんなずっとはいいでしょ。

色々試みてはいた。どうすれば、音楽に熱中することができるのか。

とにかく時間の確保をしなくてはいけないから、就職活動を周りがしている中、それを一切無視して何もしなかった。

バイトをしながら、労働時間は最低限にしながら、空き時間を確保した。

休憩時間を見直して、人間のバイオリズムに沿った行動計画を立ててみた。

環境が悪いからと、寝室と作業部屋は完全に分離させて、休憩がてらのベッドインをしないように対策もした。

すぐ作業に移れるように、ギターはすぐ手元に持てる場所に立てかけ、打ち込み用のキーボードは常に机の上に置いた状態にした。

スマホも娯楽用と最低限の機能用に分けて、なるべく使わないようにした。

音楽をしようと思っていたのにできなかった日は、とにかく反省して自分に言い聞かせた。

時にはそういう完璧主義がいけないんだと、心理的ハードルを下げて作業に取り組むようにした。

自分の中で、やれることは色々試した。

だけど、結局どれも根本的な解決にはならなくて、単純に音楽に向かう時間が増えていくにつれ、離れたいという本能的な感覚が増していくだけだった。

そして時間を浪費する。音楽のために作った時間を、目的もなく浪費する。

そんな生活をずっと続けていた。

1つの事だけ、なんて向いてなかった

少なくとも、自分には、この「1つのことを極める」ということが不可能だと思った。

自分が一番最初に、努力が報われた経験をしたのは、大学受験の時で、その時も、一日何時間も勉強していなかった。というかできなかった。

でも、なんだかんだ素直で、コツコツ続けることはできたので、高校の初期から、努力の貯金が溜まっていた状態だった。

あとは根本的に受験勉強には資質があったのだろうと思う。

だから、極めるのが得意な人に、後から抜かされることもあった。でもそれを尻目に、自分は1日中ずっと頑張ることはできなかった。

元来そういう性格で性質なんだなと、この5年経った今は、もう自分に対して諦めかけている。

何か1つのことだけを突き詰めて、極める人生は自分にはできないんだと。

だからきっと、トッププレイヤーにはなれないんだろうなと。

才能もなくて、おまけに努力もできないんじゃ、そりゃ無理だよ。

でも素直に自分の負けを認めるなんて、それはそれで、まだ無理だ。

だけど、ちょっと前から気づいていることがあって。

自分はこの「1つのことを極める」人生に、ものすごい憧れがあって、そうなりたいと強く思っていた。

でも、憧れてる時点で、その生き方は多分向いてない。

イチロー選手が、自分の生き方に憧れてるだろうか。

会ったこともないので、当然本当のところは分からないが、きっと彼にとっては当たり前のように生きているだけなんだろう。

イチローに憧れてる時点で、イチローみたいに生きられるわけないだろう。

たぶん、自分はそんな生き方は向いてない。だからこそ、すごいと思い、強く憧れるんだろう。

だから、自分が目指すべきは、自分にとっては当たり前に生きてることを、誰かから強く憧れられる。

そんな生き方なんだろうと思う。

本来は、最初からそれをやるべきだった。

でも、それに気づくには随分時間がかかった。

そしてそれを許容し、受け入れて、実際にそう生きていくには、また随分時間がかかるんだと思う。

じゃあ、自分はどう生きていけばいいのか

飽き性なわけでもなく、継続力がないわけでもない。努力の継続は一応できる。

だけどそんなにたくさんできない。

だから、自分は、極めることを2,3個持つことに決めた。

たぶん、よくよく考えたら、人間の大部分は、同じことにばかり集中できるわけではないということ。

そしてむしろ、同じことにばかり集中できない方が得だということ。

昔は、いつ自然や動物、敵からの危害がやってくるか分からない状況だったはずで、さらに言うと、社会の変化というのは常に起きているわけで、

何か1つのことにだけ熱中していることは、リスクでもある。

だから、多くの人にとっては、その方が生き残りやすくて、だからこそ常に何か1つのことばかりできない性質を持っているんだと、自分を納得させている。

そしてこの5年の自分の人生を振り返ってみても、いくら時間を確保したところで、自分のキャパシティ以上の時間を、1つのことに費やしても、どこかのタイミングで、必ず「もうこれ以上やっても意味がない」状態になる。

少なくとも、自分にとっては、もうそれ以上時間を確保しても無駄だ。何か別のことをやって、またモチベーションが回復するまで待つしか、方法がない。

だから、同時並行で、2,3個、自分の中で極めることを作り、それをぐるぐる回す。

今これがダメなら、こっちならモチベーションがあるかな。そしてそれがダメになったら、また元のやつに戻したり、第3のことをやったり。

自分にとっては、その第2第3のものが、このブログや占いというものだ。あとは、会社にも勤めているので、そこでの成果というのも、自分のなかで極める対象に入ってる。

本来の自分がやりたかった、1つのことを誰よりも極めて、誰よりもプロフェッショナルになる、ということは、このやり方では実現できないと思う。

おそらく、いつまでたっても、本当に一流と呼ばれるような、トップ中のトップにはなれないと思う。

でも、自分にはその道しかなかった。

時間は絶対かかってしまう。だけど、人より時間はかかるかもしれないけど、いつか、それぞれの領域で、1.5流くらいにはなることを目指す。

そしてこの1.5流を目指すというのも建前で、本当は一流を目指す。

トップ中のトップだけは諦める。でも、一流になる道はまだ残されてると思っている。

だから、自分は、時間が掛かってでも、それぞれのことを極め、必ず一流になる。

40歳くらいでもいい。だけどその時には、2,3個の事で1.5流から一流になっていて、そしてその組み合わせで、誰にも負けない、ユニークなトップ中のトップになる。

そう思って、音楽を、「たった1つの極めること」から外して、努力を続けている。

ただ、その分、若くして売れることは諦めた。

何かの拍子で売れたらそりゃ願ってもない。

でも、この道で行くと決めたから、早い道はもう割り切った。

ただ一つ、「たった1つ極める」枠に何も入れないことで、全てがどうでもよくなってしまうのだけは避けなければいけないが。

プロフィール→こちら

一歩進んで、少しは前向きになれたのだろうか。

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